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バスガイド2

バスガイドの仕事は始めは学費稼ぎとして始めましたが、
気が付いたら学業より本職と言っていいほど力を入れていました。

ガイドは当時人が足らなく、たった一日研修しただけで
“ハイ!明日から御願いねっ”と仕事に出されました。
そっそんなぁ~信じられな~い!

前の晩に徹夜であんちょこを
ルームメイトのSちゃんと作りました。

非常に嬉しい事にハワイの法律では
バスの中ではガイドでも立ってはいけないのです。

そう、座ってあんちょこを読みながらマイクで話しても
お客様は気づきません。

それでも初めてのガイド・デビューの日は
緊張のあまり手が汗びっしょりで
マイクを何度も落としそうになりました。

コースはお土産店→ヌアヌパリ→パンチボール→
カメハメハ王像→アラモアナビーチがお決まりコース。
ここまではいつも結構楽勝でした。

一番問題だったのはホテルについてから!
これは本当にいつも苦労した。
“みなさぁーん。ホテルの中をご案内しまーす!”
と叫んだはいいけど、ワイキキにはホテルが一杯あって中も広い。

朝食はどこで?
お部屋へのエレベーターは?
多い時は50人くらいの団体が私の後ろにぞろぞろとついている。

ホテルも数が多いので、すべてを中々覚えられない。
リリオカラニだとかププなんとか?とか、
そんなハワイ独特の名前をつけたバンケット・ルームが多い。

それを目玉を180度フルに使い平然を装って捜す。
私はガイド。
お客様を決して不安にはさせられませんから。

目玉が次の日痛くなる時があるほど、
フルに動かしてお部屋の文字を読んだ。
首は決して動かさずに。

担当のお客様がどのホテル泊まりか前日に知らされる時は
前夜の内に偵察に出かけたり、
こればかりはいつも苦労していました。

おかげで今は大きなホテルの中も隅々まで内容がわかるようになりました。

後、お客様からの質問関係も苦労しました。
お花好きなお客様達がガイドさんあの花の名前は?この木は?
はたまたあの草は?

一応ガイドブックで勉強していても
実際、名前がわからないお花もたくさんある。
なんてたってハワイ、お花の種類が多いんですもの。

そういう時も絶対にお客様にわからないと
言ってはいけないと教えられていました。

え-っと、それはですね、“ピンクフラワー”ですね(^^)
なんて適当に名前をつけた回答も時々あった。
(ごめんなさーい!)

今はハワイで大型バスでの観光はあまり
見かけなくなりました。

でも、あの当時はハワイにムームーで
歩くガイドさんとその後ろについて歩く団体のお客様が実に沢山いました。

眠いのに私の話しを一生懸命聞いてくれるお客様。
ハワイに来て嬉しそうなお客様の顔を見る事が
とにかく嬉しかった私でした。


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